KDDIと三菱東京UFJ銀行は、2006年より設立を明らかにしていたモバイルネット銀行について、具体的なサービス内容と開業の予定時期をあらためて発表した。
両社では2006年4月に新しいモバイルネット銀行の設立を発表。「携帯ならではのサービスを提供する銀行」をコンセプトとして、2007年度前半の設立を目指すと発表していた。今回における発表では、具体的に個人ユーザー向けサービスとして、国内通貨および外貨の預金、株式・投資信託の仲介業、保険の代理店事業、カードローン、クレジットカード、振込、各種決済、電子マネーチャージなどが挙げられた。携帯電話のメイン画面からログインできる新たな機能や、取引履歴を確認できる通帳機能も用意される予定という。各商品・サービスは、開業後、順次スタートしていく。
これらのサービスでは、三菱東京UFJのモバイルバンキングサービスをベースに、携帯電話独自の機能を盛り込むことを目指しており、auユーザーだけではなく、NTTドコモおよびソフトバンクモバイルのユーザーも利用できるようにする方針。
開業時期については、2006年時の発表の予定よりも遅れ、2008年度半ば頃の開業を目指すことになった。これはKDDIによると、「開発を進めていく中で、開発工数が非常に多いこと、また高度で慎重な検証が求められることから、やむなく開業時期を遅らせることにした」と説明している。
KDDIと三菱東京UFJ銀行は、共同によりモバイルネット銀行を設立すると発表した。新しい銀行は、2007年度前半の早期に設立される予定だ。
両社は、新銀行の設立に向けて1対1の比率で出資し、2006年5月を目途にその母体となる設立準備会社を立ち上げる。KDDIでは、携帯電話の利用状況の拡大に伴い、モバイルEC市場も成長しており、携帯電話と結びついた金融ニーズを見越し、モバイルECの金融事業に参入する。
新しい銀行で予定されているサービスは、「携帯電話を主なチャネルとした、今迄にない金融サービス」としており、携帯電話番号で振込ができたり、端末から即時に口座開設できるサービスのほかショッピングやオークションなどで利用できる決済サービスも提供するとしている。
いずれのサービスも詳しい内容は未定だが、携帯電話から利用できる消費者金融サービスも展開するとしている。また、クレジットカードサービスも検討を進めていくという。
なお、新銀行は携帯電話がメインのネット専業銀行となる。今後、パソコンとの連携も検討しているとのことで、オンライン決済を中心とした決済銀行のイメージが強い(三菱東京UFJ)という。口座に現金を入金するためのキャッシュカードが発行される見込みで、おサイフケータイなど、非接触ICを使った展開については未定としている。